林 貴則さんのおすすめのデザイン 1
「CMY / POT」原田 祐馬

室内に居る時間が増えると、あたりまえだけど変化が不足しがち。グリーンが室内にあることはその成長を分かち合うことはもとより、うまくいかなかったときの枯れ具合も含め、その変化は刺激的でありリアル。このCMY(シミィ)は紙とインクと水という化学変化で、グリーンのある暮らしにさらに小さな驚きをもたらす。そして語呂合わせ的な製品名も秀逸だ。

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林 貴則さんのおすすめのデザイン 2
「紙時計」小泉 誠

時刻って不思議だ。秒単位で正確であってほしいときと、あいまいなままで良いときと、2つの表情がある。もしかしたら、スマートフォンやスマートウォッチに縛り付けられている現代人の多くは、リビングなどのプライベート空間にはあいまいな時刻を求めているかもしれない。紙という素材が持つ強度は、その表現する時刻もふわっとしててその感覚に丁度良い。

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林 貴則さんのおすすめのデザイン 3
「空気の器メッセージカード クリエイターシリーズ by 髙谷 廉」トラフ建築設計事務所

紙を構造物として立体化すると、こんなにも魅力的なプロダクトになるものなのかっ!というのがデビュー当時のインパクト。形状も自由自在、使い方もフレキシブル。暮らしのなかにあるちょっとした領域を、空気と紙でうっすら定義付ける、まさしく「空気の器」という製品名にふさわしい名品中の名品。フラットな状態をメッセージカードにする、という発展もまたなんとも素敵。

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PROFILE

林 貴則

大学卒業後ジャーナリストを目指し出版社勤務の後、スポーツとライフスタイル&デザインを融合させた雑誌の発行人兼編集長として初期のキャリアを構築。その後、広告制作会社のクリエイティブディレクターとして企業広告に携わる傍ら、フランスのキッズマガジン「MilK」の日本版編集長を約5年間担当する。2015年に独立し、リサーチ&デザインスタジオ Polar Inc. を東京に設立。事業構想やアイデンティティの策定、広告やオウンドメディア制作等に「文脈整理と編集=コンテクスト・メイカー」という視点で参加している。近年は「サーキュラー・ディベロップメント」を軸とした未来思考の環境開発を手がける RGB Inc. の創業メンバーとしても活動している。