上田 元治さんのおすすめのデザイン 1
「TOP TO TAIL シロクマ & ペンギン」和田恭侑

あ、生きてる。と思った。

小学校の図工の時間を思い出した。紙工作をやっていたときに先生から、紙は強く折り目をつけて折ると死んじゃうけど、丸めたりしたらバネみたいに生きてて、そうやって使うとおもしろいよ、と教えてもらったのだった。

シロクマの背中、ペンギンのお腹、その丸み。今にも動き出しそうな感じは、紙の生命力が宿ってるから。

この手で、そんな命に触れられる気分になる。

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上田 元治さんのおすすめのデザイン 2
「948」辰野しずか

店頭で販売する時、箱に入れてラッピングする時に、隙間を埋めるクッションの紙、シュレッダーで出てきたみたいなあれを「もけもけ」と呼んでいた。本当はなんと呼ぶものなのかは知らない。

あの「もけもけ」が、繊細なカットと色使いで、素敵なものになったら。

テキトーな紙だからクッションに使われてたんじゃないのか。素敵すぎて完全に意味を失った、ただ綺麗なだけの紙。それをテキトーにクシャクシャして楽しんでくださいという。

用途は愛でるだけの、贅沢すぎる紙の宝石。

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上田 元治さんのおすすめのデザイン 3
「紙の葉」鈴木康広

その葉脈とかちょっとした曲がり方とか、妙にリアルで。もともと植物だったものが、白い葉っぱとして生まれ変わったというのもロマンチック。

枯葉のように箱に詰めて、テーブルに置いて、とできるのだけれど、枯葉ではない。ここに書くことで活かせるから。

でもなんだか勿体無くて、メモとして使いそびれたり。使わない方がこの葉っぱも活躍できなくて勿体無い、と思ったり。気持ちがグルグルする。

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PROFILE

上田 元治

CCCアートラボ
蔦屋書店などの企画、店舗運営をやっているなかで、福永紙工さんの商品に出会いました。現在は出版事業を中心に、アートをお届けする事業をやっています。紙の魅力を広く伝えたいです。